タイでは選挙日前日は禁酒です

今日は選挙日ですね。

日本では政治への無関心、投票率の低下を案ずるニュースが放映されたり、政治家が泣いたり笑ったりする程度でなのですが、海外ではちょっと事情が違ったりします。

インドの旅の途中、宿でチェックインしている時、「明日は選挙日だから外に出ない方がいい」と言われました。

選挙日には暴動やテロが起きやすいのです。

対抗する団体の投票を妨害しようと爆発物を仕掛けたり、投票結果に納得のいかない人たちが暴動を起こしたりするためです。

平和な日本ではちょっと信じられない話ですが、選挙の結果が利害関係に直結し、宗教対立などもからんで選挙日の前後は治安が悪化します。

外務省が発表する海外安全情報でも「選挙の実施に伴う注意喚起」が出されたりします。

タイのある夜、繁華街に飲みにいくといつもは煌々ときらめくネオンと騒々しい音楽がかかっているのになぜかこの日に限っては薄暗い明かり。

いつもの喧騒が嘘みたいに静かです。
でも店員も客もいます。

「何があったの?」と訊ねると「明日選挙だから」との答えが返ってきました。

選挙だとなぜ電気を点けないのか意味がわかりません。

よくよく訊ねるとタイでは選挙日前日にはアルコールの販売が禁止され、クラブやディスコなど夜のお店が休業になるとのこと。

選挙日前夜に酔っ払って選挙に来なくなるのを防ぐためだそうです。

薄暗い明かりで音楽をかけないのは警察が見回りに来たときでも建前上は「営業していないよ」と言うためで、ビールは警察が来たら隠せと言われました。

誰が見ても店員と客がいるのだから営業していることは一目瞭然なのですが、そこはおおらかなタイ、何でもありです。

警察が実際に巡回しており、近づいて来ると店員がアルコールを隠すように指示したり、テーブルの上を片付けたりし始めます。

警官が去るやいなやまたテーブルを戻し始めます。

警官も見てみぬふりで、目に余るものだけ注意しながら巡回している様子です。

酒を飲んではめを外すのが日本以上のタイでは、この禁酒対策は投票率向上に効果があるのかもしれません。

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