川や風がささやき、草や木が笑いさざめいたと感じる心。

太古の人々や自然に囲まれた環境に暮らす原始民族はこうした感情をごく自然に持っています。動物や植物はもちろん自然現象や事物にさえも、人と同じように命、または心を持っていると考える、これがアニミズムと呼ばれる観念です。アニミズムの世界観では、この自然界は様々な霊に満ちあふれ、人間もその中の一つに過ぎないと考えます。古(いにしえ)の日本ではこうした霊、<何か人よりも大きな力、人知を超えたもの>をすべて<カミ>という代名詞で呼び、畏れ敬いました。

畏敬の念を抱かせる屋久島縄文杉

アニミズムの観念を残す民族の中で彼ら固有の模様を持たない民族はありません。

模様は優れたものが多く、必ず何かの「徴(しるし)」を持っています。それは身近にある動植物を象ったものであったり、時には想像上の魔物や神々のシンボルであったりします。幾何文や線などで抽象化された神秘的な模様は、何の徴を指しているのかわからない私たちにも何かの意味があることを暗に感じさせます。

モン族(ミャオ族)の銀装飾品に現れる螺旋文様

アニミズムの世界では模様は単なる飾りではなくすべてに意味があり精神世界と深く結びついています。

意味を持った模様を身に着ける、飾るということは、それら徴が持つ霊力を取り込んだり、霊力で身を守るという精神的な欲求が込められています。大自然に対する畏怖、共感、崇拝の感情が心に湧き上がったとき、想像力を燃焼させ、全身全霊で形に表したもの、それが模様の始まりでした。

ヤオ族民族衣装に現れる刺繍文様

クロマニヨンの基本理念は「アニミズム」です。

歴史に現れた古代模様、民族固有の原始模様の<探求>から、模様に宿る魂を感じとり、新たな命を吹き込んで形にすること、これがクロマニヨンのデザインコンセプトです。
「意味あるもの、時と空間を超え心響く」を信念として、永遠に旧く、永遠に新しいものを追究していくことがクロマニヨンの存在意義になると信じています。原初の心に立ち返り、心の底に横たわる自然への想いを呼び覚ます、その契機となるモノでありたいと願っています。