いちばん好きな国はどこですか?

「いちばん好きな国はどこですか?」

初めて会った人に「旅が好き」と言うとこんな質問をよくされます。

この答えは質問された時点でそれまでにどこを旅してきたかによってよく替わります。

大学を休学し欧州を中心に20カ国ほど旅した時、いちばん好きな国は「モロッコ」でした。
欧州とはまったく異質の世界。驚きと戸惑いの連続。
モロッコでの2週間の滞在でイスラム世界に興味が湧き、次の旅に選んだのが中東でした。

1ヵ月の中東の旅を終えた後、同じ質問をされたときには「イエメン」と答えていました。
腰に挿した半月型の短剣、エキゾチックな旧市街、千夜一夜物語の世界のような情景にすっかり虜になりました。

アンコールワットアンコールワット

会社勤めのとき、たった4日の休暇でカンボジアを訪れました。
夕日の色に染まったアンコールワットの息を飲む美しさ、穏やかでにこやかな人々、蛍が飛び交う静寂の夜。
すべてが数日前にいた東京のものとは異なる世界に魅了され、帰国後は「カンボジア」がいちばん好きと答えるようになりました。

この頃の私の夢の一つに「日本からモロッコまで陸路のみで横断」というのがありました。

シェシャワンの家の扉シェシャワンの家の扉

日本は文字通り、太陽の昇る国を意味しています。
モロッコの正式名称は、Mamlaka al-Maghribiya:アル=マムラカ・アル=マグリビーヤ。
日の没する地の王国という意味です。
日本風に書けば日没国となります。

「日の昇る国日本から日の沈む国モロッコまでの旅」
何だか浪漫がありませんか?

カンボジアから1年後、夢の実現のため会社を辞めました。
神戸からフェリーに乗り、ユーラシア大陸の最初の一歩は上海でした。
それからひたすら西へ西へ...

ヘラート/アフガニスタンヘラート/アフガニスタン

いくつもの国を通り過ぎ、旅立ちから約1年が経とうとしていたころ、私の好きな国は「アフガニスタン」になっていました。
当時アフガニスタンに行くのは死にに行くようなものと言われていました。
そのため現地のパシュトー語を必死で覚え、怪しまれないようターバンを巻き、現地人に変装して入国しました。
毎日が緊張の連続でしたが、優しい人々に助けられ無事出国でき、いちばん好きな国になりました。

目的地のモロッコに着いたのはそれからさらに半年後でした。

シェシャワンの路地シェシャワンの路地

日本で世界地図を見ると日本が中心に描かれているためアフリカとアメリカは地図の左端と右端にあります。
両者の距離は大変遠く感じられます。
しかし欧州の地図では当然ながら欧州が中心。
モロッコから見るとアメリカの東海岸がすぐそこに見えます。

それから2週間後、ニューヨークのマンハッタンにいました...

旅の終着点はチリでした。
チリから日本に帰国したとき、出発してから実に2年2ヶ月の月日が流れ、訪れた国は80カ国程になっていました。

今、いちばん好きな国は?と聞かれると「タイ」と答えることにしています。
クロマニヨンを設立してからタイへは仕事で年4~5回ほど訪問します。
仕事の合間にタイ語を学ぶようになってからタイが好きになりました。
皆敬虔な仏教徒で信心深く、謙虚で他者への思いやりにあふれています。

チェンマイの古寺チェンマイの古寺

タイ人は日本人に似ているところがたくさんあります。
外国人と話すとはにかんだり、笑ってやり過ごそうとしたりします。
お化けや霊魂を怖がり、敬うのもよく似ています。
大きな木には日本のものによく似た祠が大抵あり、捧げられた線香が煙をくゆらせています。
お風呂(水浴び)が大好きで、1日に1回しかお風呂に入らない日本人は汚いと言われたりします。

人には個々に備わった性格と国全体の性格である普遍的な国民性のようなものがあるように私は思います。
こうした国民性は長い年月の中で醸成されていくものであって短期間で大きく変わることはありません。

日本人は世界全体から見ると風変わりな国民性ですが、タイ人には日本人に近いものを感じられます。
モンゴル、フィリピンには行ったことがありませんが、タイ人と台湾人には他国と比べると強くそう感じます。

日本人の感覚からすると、大雑把で適当で曖昧なところがたくさんありますが、微笑を絶やさぬ国タイ。
私はそんなタイが大好きです。

あなたのいちばん好きな国はどこですか?

One reply on “いちばん好きな国はどこですか?

  • shiro

    久々の旅の話題にワクワクしました。私の場合は旅行(ツアー)ですが、アンコールワットはすごく印象に残っています。ホーチミン観光してから入ったので、人も町の様子も余計に素朴な感じがしたのを覚えてます。今の一番は2年前に行ったミャンマーです。特に中部の町バガン。地平線の奥まで点々と続く赤茶色のパゴタ、エーヤワディー川の夕日など本当に穏やかな光景でした。旅行社の方々もとても親切で勉強熱心。ぜひもう一度行きたい国です。

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