用語集

ア―オ

アカ族
自称アカ、タイ人にはコー、イコーと呼ばれる。中国では哈尼(ハニ)族と書かれる。中国の古い文献に現れる羌人がルーツとされる。
中国雲南省,ラオス南西部,ミャンマーにかけて住む。チベット・ビルマ系。19世紀中頃から雲南省より移住を始め、各地へ散らばった。タイには20世紀初頭、ミャンマーからやってきた。
文字を持たないが、口承で受け継がれてきた独自の創世記を持つ。
信仰はアニミズムであらゆる物や自然現象に霊が宿ると考える。
また父系制で祖霊崇拝を重要視しており、系譜をたどり初祖にいたるまで60以上もの名前を暗誦できる。特別な儀式や葬式などでこれらは朗唱される。
また同じようにしてアカ族は祖先がどこからやってきてどこに住んでいたかを暗記しており、彼らの移住経路をたどることができる。
アカ族の女性の民族衣装は非常に特徴的で、銀の飾り、ビーズなどをあしらった兜のような帽子をかぶり、刺繍を施した手紡ぎの木綿のジャケット、ひざ上までのショートスカート、筒型のすねあてなどを身につける。
アカチン族
ミャンマー西部よりインドアッサム・マニプール地方に住むチベット・ビルマ系民族、チン族の一派。信仰はアニミズム。布を非常に大切にしており、婚礼祝いの品として贈り、特別な機会にのみ身につける。
アフガニスタン
内戦が何十年も続き国は荒廃。パキスタンに多くの難民が流れ込んでいる。1996~2001年、イスラム原理主義者のタリバンが国土のほとんどを制圧、女性の教育、就労の禁止、音楽の制限など厳しいイスラム法を強いていた。現在国家再建中。
アニミズム
自然界に存在する動植物から無生物の石や水にいたるまで、森羅万象すべてのものに霊魂が宿るとする思想。
アンティークビーズ
とんぼ玉。最古のものは4500年前のメソポタミア時代ものまで溯る。古来より多くの人を魅了し続け、世界各地で様々な色や形のものが作られ、貨幣と同等の価値を持つ交易品として世界各国へ広がった。そのデザインや形、色などからそのビーズの産地、年代が特定される。
浮織(キット)
地緯(じぬき/平織りに使う緯糸(よこいと)に絵緯(模様になる緯糸)を使って、布の端から端まで緯糸を浮かしながら模様を織っていく技法。
オピウム
阿片(アヘン)。ケシの未熟な果実に傷をつけたとき分泌する液を乾燥させた物質。煙を吸引するなどして体内に入れると多幸感が得られる。アヘンを蒸留精製したのがモルヒネ。

カ―コ

カーネリアン/Carnelian
カルセドニー(玉髄)の一種でオレンジ系の色をしたもの指す。日本では紅瑪瑙(めのう)と呼ばれる。
世界中で古くから装飾品として使われきた石で、メソポタミアの古代遺跡やエジプトのツタンカーメンの遺跡など からも発見されている。
古代エジプトでは、カーネリアンのお守りは、魂が来世に向かうとき手助けをしてくれるものとしてラピスラズリ、ターコイズなどともにもっともよく使用された。
オレンジの色は含有する鉄分によるもので、加熱することにより酸化され色が濃くなる。
ガーネット/Garnet
深紅の宝石としてよく知られているガーネットは、宝石としての歴史は古く、世界各地の文献によく登場する。
旧約聖書には、ノアが箱舟で乗り出したときガーネットをランタンとして用いたと書かれている。
また中世ではガーネットは身に着ける者をあらゆる災いから遠ざけるとして信じられており、十字軍兵士たちは生きて再び愛するものの元へ戻ることを願って、ガーネットで武具を飾ったと記録されている。
名前の由来はざくろの粒に似ているところから、ラテン語の種子を意味する「granatus」から取られた。日本では柘榴石と呼ばれる。
色は赤のほかに、オレンジ、緑、黄色などがある。1月の誕生石。
カレン族/KAREN
タイ北部からビルマにかけて広く住む。タイではカリエン、ヤンと呼ばれる。山岳民族の中では最大規模を誇り、タイに約35万人、ミャンマーに約400万人が住んでいる。いくつかの氏族に分かれるがタイの主要氏族はポー・カレンとスゴー・カレン。首長族(パダウン族)も語系的にカレン族の一派とされる。
カレン族の伝説は、彼らの先祖がチベット、ゴビ砂漠からやってきたと言い伝えている。彼らの暦は紀元前739年より始まっており、西暦2002年は2741年にあたる。
あるカレン族の神話は次のように語っている。
―その昔、神によって、それぞれ異なる民族が創られたとき、我々は皆兄弟だった。カレン族はその中でも最年長者にあたり、尊敬を集めていた。あるとき各民族は神から書物を授かった。我々はそれをあろうことかなくしてしまった。我々の貧しい暮らしはそのせいである。しかし、いつの日か海を越え若い白い兄弟が我々に書物をもたらしてくれるだろう―
宣教師が聖書を携えてビルマの地に始めて降り立ったとき、カレン族はこれは神話が実現されたのだと信じた。
カレン族の居住地域は、18世紀後半頃からビルマとタイの国境紛争に巻き込まれることになり、何度も大きな被害を被った。今日、ミャンマーのカレン族は現政権の抑圧に抵抗し、国境付近で独立活動を続けている。また戦乱を避け多くがタイに難民として流入している。
山岳民族の中で唯一、象を調教する。信仰は主にアニミズム(自然物、自然現象に精霊が宿ると信じる)と仏教だがキリスト教徒も増加している。
女性の民族衣装は,未婚者と既婚者で異なる。既婚者は黒や藍の木綿の貫筒衣と赤のサロン、未婚者はひざまであるシンプルな白の貫筒衣を着用する。首元には何重にもビーズのネックレスを巻きつけて身を飾る。中には数世紀前に西欧、インド、中国との交易でもたらされたアンティークビーズもある。シルバーアクセサリーはカレン族特有の動植物や幾何学模様が彫られている。
琥珀/AMBER
約4000~6000万年前の太古の植物樹脂が化石化したもの。紀元前の昔より装飾品として用いられており、ギリシャ神話ではゼウスに雷で打たれ死んだ兄を嘆く妹ヘリアデスの涙が琥珀となったとされている。

サ―ソ

刺し子
布地を補強し長持ちさせるためにステッチする技法。
珊瑚/Coral
動物である珊瑚虫が海中にて長い年月をかけて作り上げる有機質の宝石。真珠と並ぶ海の宝石のひとつ。西洋では血の赤を連想させる珊瑚は傷を防ぐ力を持つとして、ロザリオのビーズに用いられた。
日本では仏教伝来と同じ頃に伝わり、七宝のひとつとして加えられている。七宝とは仏典に示される7つの宝物を指す。経典によって諸説あるが「無量寿経」では以下が七宝として挙げられている。
金・銀・瑠璃(るり)・玻璃(はり)・シャコ・瑪瑙(めのう)・珊瑚(さんご)
19世紀末まで珊瑚は地中海産のものしかなく非常に高価だった。この経典にも登場する珊瑚は地中海で採られた珊瑚が交易によって運ばれたものである。19世紀末、日本の近海で良質の珊瑚が取れることが判明。以来日本は珊瑚の輸出国となった。
鹿革
日本で最も古くから使われてきた革。現在でも武道具などに使われる。一般に使われる天然皮革の中では最も柔らかくしなやかで耐久性がある。肌触りはビロードのように柔らかくなめらか。新しいうちは革の繊維が衣服につくことがあるので、白など繊維が目立つ色は注意が必要。使っていくうちに少なくなっていく。
絞り染め
紋様の部分を一つ一つ糸で固くしばることによって、その部分が染まらないようにする技法。染色後に糸をほどくと染められなかった部分が紋様となって姿を現す。
出エジプト記
39章 8節-14節 胸当て
次に、金、青、紫、緋色の毛糸、および亜麻のより糸を使って、エフォドと同じように、意匠家の描いた模様の胸当てを織った。
それは、縦横それぞれ一ゼレトの真四角なものとし、二重にした。
それに宝石を四列に並べて付けた。
第一列 ルビー トパーズ エメラルド
第二列 ざくろ石 サファイア ジャスパー
第三列 オパール めのう 紫水晶
第四列 藍玉 ラピス・ラズリ 碧玉/これらの宝石を並べたものの回りに金で縁取りした。
これらの宝石はイスラエルの子らの名を表して十二個あり、それぞれの宝石には、十二部族に従ってそれぞれの名が印章に彫るように彫りつけられた。
(新共同訳)
シュリーヴィジャヤ王国
7世紀後半~14世紀にスマトラ島をパレンバンを中心に栄えたマレー系の通商国家。
交通の要所マラッカ海峡を押さえることにより、イスラム帝国、インド、唐との東西貿易で繁栄する。中国の「新唐書」には室利仏逝(Sribhoja)と記される。
仏教を学ぶため広東から海路インドに向かった義浄は7世紀後半、新興国だったシュリーヴィジャヤを訪れ、当時の様子を書き残している。
インド文化圏の影響を受けた国家だが、大乗仏教を保護した。
7世紀後半~9世紀が全盛期で、マレー半島、ジャワ島、ボルネオ島にまで貿易港を中心とし勢力を拡大するが11世紀南インドのチョーラ朝の侵攻で衰退。
マレー系国家シュリーヴィジャヤの交易活動がマレー文化や交易共通語としてのマレー言語拡散につながり、マレー語は現在マレーシア、インドネシアで共通語として用いられている。
シルク
シルクは数多い繊維の中で、もっとも生体親和性が高いと言われている。この性質を利用して、手術用の糸やコンタクトレンズにも使われる。
ジンポー族
ミャンマーカチン州、中国雲南省に多く住む。チベット高原が発祥と言われている。ジンポーとは彼らの言葉で「人」の意味。タイ、ミャンマーではカチンの名で呼ばれる。モンゴルの遊牧民と同じようにいちばん下の弟が家を継ぐしきたりになっている。

タ―ト

ターコイズ/Turquoise
宝石としては最古のもののひとつで、古代メソポタミアの時代よりエジプト、チベット、北中米など世界各地で宝飾品やビーズとして使われてきた。
古来より災いから身を守る石として身につけられ、特に北中米のネイティブアメリカンには青い空の象徴として神聖視されている。
その色は空の青から深い緑まで幅広く、銅とアルミニウムの含有量によって色は変化する。
銅を多く含むものは青に、アルミニウムを多く含むものは緑色になる。
イラン産のターコイズは緑がかったり黒色の脈(スパイダーウェッブス)を含まない、クリアなスカイブルーで人気が高い。反対にチベットでは緑のものが好まれる。
アメリカ合衆国ではアリゾナ州とニューメキシコ州で産出される。
ターコイズの名はペルシャ(イラン)、エジプトで産出されたものをトルコを経由して流通したため西欧でトルコ石(turquoise)と呼ばれるようになった。
イミテーションとしてよく着色されたハウライト、マグネサイトが使われる。
熱、湿度、衝撃に弱く、日光に長くさらしたり、酸やアンモニアにふれると変色するため取り扱いには十分な注意を要する。
自然の状態のターコイズ(Natural)は多孔質(微細な穴が無数にあいたスポンジ構造)のため非常にもろい。このため樹脂でこの穴を埋め、強度を与える加工が行われる場合がある。
加工により強度が安定した状態のターコイズ(Stabilized)はステビライズド・ターコイズと呼ばれる。
また色の薄いターコイズを色のついた樹脂を浸透させることによって着色したターコイズ(Dyed)はダイド・ターコイズと呼ばれる。
さらに、ターコイズの粉末を元に色のついた樹脂で固め、新たに再生されたターコイズ(Reconstructed)はリコンストラクテッド・ターコイズ(俗に練りもの)と呼ばれる。
クロマニヨンではナチュラル・ターコイズとステビライズド・ターコイズの2種類を使用している。
ラピズラズリとともに12月の誕生石。
タイ・デーン族
ラオスのサムヌーア地方およびベトナム、中国の紅河地域に住むタイ語族の1派。赤タイ族。
タイ・ルー族
中国雲南省シーサーパンナに住むタイ語族の1派。中国紅河地域、ラオス、北タイにも居住。
誕生石
[国別誕生石]
  日本※ アメリカ イギリス フランス
1月 ガーネット(柘榴石) ガーネット ガーネット ガーネット
2月 アメシスト(紫水晶) アメシスト アメシスト アメシスト
3月 アクアマリン※2
珊瑚
ブラッドストーン(血石)
アクアマリン
ブラッドストーン
アクアマリン
ルビー
4月 ダイアモンド ダイアモンド ダイヤモンド
水晶
ダイアモンド
サファイア
5月 エメラルド
翡翠
エメラルド エメラルド エメラルド
6月 真珠 真珠
ムーンストーン
真珠
ムーンストーン
ホワイト・カルセドニー(白瑪瑙)
7月 ルビー ルビー ルビー カーネリアン(紅瑪瑙)
8月 サードニックス(紅縞瑪瑙) サードニックス
クリソライト(貴橄欖石)
サードニックス
ペリドット(緑柱石)
サードニックス
9月 サファイア サファイア サファイア
ラピスラズリ
ペリドット
10月 オパール
トルマリン
オパール
トルマリン
オパール パール
アクアマリン
11月 トパーズ トパーズ トパーズ トパーズ
12月 ターコイズ
ラピスラズリ
ターコイズ
ラピスラズリ
ターコイズ トルコ石
マラカイト(孔雀石)
日本 全国宝石商組合制定(1958年)
フランス ルイズ・タルク女史が制定
アメリカ 宝石小売商組合制定(1912年)
イギリス 貴金属商組合制定(1937年)
※現在の日本では6月の真珠の代わりにムーンストーン、8月のサードニックスの代わりにぺリドット、11月のトパーズの代わりにシトリン(黄水晶)が用いられることが多い。
詳細は誕生石の歴史を参照。
チン族
ミャンマー西部より北東インド、ミゾラム州一帯に住む。女性の顔面いっぱいに広がるタトゥーが有名。伝承によるとチン族の女性が大変魅力的なため、さらわれないように醜いタトゥーを入れるようになったと伝えられている。
綴織(コまたはルアン)
様々な色の緯(よこ)糸を使って平織のように織り、縦(たて)糸に結びつけることによって変化に富んだ模様を産み出していく織の技法。特にタイ・ルー族の間でよく用いられる。

ナ―ノ

ナーガ族
インド-ミャンマー国境に居住。約100万人がインドナーガランド州に、もう100万人がミャンマーのパトカイ山脈沿いに住む。
チベット・ビルマ語族。その孤立した地理的条件から独特の風習を保ち、かつては首狩の習慣を持っていた。村の繁栄や祝ったり、勇者の証しとするために首が狩られた。
第二次世界大戦時、この地域からイギリスの勢力を排除しようとしたインパール作戦では日本軍も彼らにずいぶん苦しめられたらしい。
現在インド、ナーガランド州では独立を求め活動を続けている。一般外国人観光客には多くが未開放地域となっている。
ナーガ族は衣服をほとんど身にまとわない代わりに、ビーズやタトゥーで身を飾る。ビーズは古くから交易によってインドやベネチアからもたらされたもので、身につけるビーズによって富や社会的地位を示している。
ナーガランド
インドの東北部にある州。東はミャンマーと国境を接する。ヒマラヤ山脈とパトカイ山脈に挟まれれ孤立した地理的条件から、この地に住む少数民族は外界と接することが少なく、独自の文化や風習を今なお保ち続けている。
この地域に住むナーガ族がインドからの独立運動を続けているため、一般外国人観光客には未開放地域となっている。ナーガ族のほかに、チン族、ゾミ族などが居住する。
納西(ナシ)族
人口約26万人。大部分が雲南省北西部、麗江ナシ族自治県に住む。固有の象形文字「トンパ(東巴)文字」を持つ。この文字で書かれたトンバ経書はナシ族の文化を世界的に有名にした。麗江古城は1997年に世界遺産に登録。

ハ―ホ

パービアン
ラオスの女性がハレの日に肩にかけ上半身に巻きつけるための布
ハウライト/Howlite
多孔質で白色をしており、黒色の脈を持つことから着色してターコイズのイミテーションとして使われることがある。モース硬度は3 1/2でやわらかい(ターコイズはモース硬度6)。
翡翠/Jade
古来中国において王の宝石「玉」と呼ばれ、持ち主に超自然的な力を与える石として大切にされてきた。日本でも縄文時代より神の力を持つ石として勾玉にされた。
プンテック/Pumtek
椰子の木質部に珪酸塩がしみ込み、珪質化したもの。1500年~2000年前に作られ、その独特のパターンをエッチングする手法は、dZiビーズと同じく謎に包まれている。チン族の間で特に大切にされている。写真のビーズは20世紀初頭に化石化した木から作られたコピー。
ブラックオニキス/Black Onyx
カルセドニー(玉髄)の一種で黒色をしたもの指す。オニキスはメノウ(アーゲート)と同種のものであり、縞模様の層が直線平行状のものの総称。
邪念や感情をコントロールできる力を持つと信じられ、また黒魔術から身を守る護符として用いられた。
オニキスとはギリシャ語で「爪」から来ており、爪が白とピンクの縞状であることからこの名前がつけられたが、現在では単にオニキスと言うと黒一色のものを指すことが多い。
古代ギリシャやローマでは特に印章として用いられた。
白(ぺー)族
大理石で名高い雲南省大理を中心に住む。800年ほど前にこの地に大理国を建国、東南アジアとの交易で栄えたがモンゴル族によって滅ぼされる。今なお固有の文化を大切にしており、ピンクのカラフルな女性の民族衣装姿を目にすることが多い。
ペリドット/Peridot
緑を代表する石ペリドット。8月の誕生石。若葉や新緑の緑にも似て、柔らな光を湛える。光にかざすと黄金色のきらめきを放つ。
その歴史は古く、古代エジプトにまで遡る。エジプトと接する紅海沖の島で産出したことから歴代のファラオに愛された。古代エジプトでは太陽信仰を中心とした神権政治が執り行われおり、石の中に現れる黄金色のきらめきを太陽神に重ね合わせ、神聖視した。
紅海に浮かぶ小さな島、ザバルガート島。遥か古の時代よりこの島ではペリドットが採掘されていた。古代ギリシャ人はこの島を「トパゾス」と呼んでいた。トパゾスはギリシャ語で「トパズィン(探す)」から来ている。「その島は霧に包まれ、水夫たちはしばしばこの島を探さなければならなかった。それがこの島の由来である」とローマ時代の博物誌には書かれている。
ペリドットは古代から18世紀頃まではトパーズと呼ばれていた。トパゾスで採れる石だから「トパーズ」だった。現在の名前であるペリドットという名前はアラビア語で宝石を意味する「faridat」から来ている。そしてザバルガートとはアラビア語でペリドットを意味している。

マグネシウムや鉄の珪酸塩鉱物の一種である橄欖石(かんらんせき)の中で特に美しい結晶質のものをペリドットと呼び宝石にされる。その緑は含有する鉄分に起因し、ニッケル分の作用によってが黄緑になる。橄欖とはオリーブに似た実をつける植物の名前で、オリーブに由来する橄欖石の英名オリビン(olivine)から橄欖石と訳された。

ホワイトハート/White Heart
17世紀頃からベネツィアで作られようになったアンティークビーズ。
ホワイトハートの名の由来は、ビーズの中心部分が白いことからこのように呼ばれるようになった。
不透明な白のコア部分の上に、透明な赤のガラスを重ねる2層構造がホワイトハートの特徴である。
赤の透明のガラスの中央に白を入れることにより、赤のガラスのみよりも色が際立ち、鮮やかな赤が生まれる。
赤は血の色、火の色として活力、元気を象徴する色である。
美しい赤色を持つホワイトハートは、各国で好まれ、イタリア、オランダなどで作られたホワイトハートは、北米、東南アジア、アフリカなどへ交易品として運ばれていった。
インディアンジュエリーに好んでよく用いられる。
ホワイトハートは産地によって微妙に異なる。
インドとビルマの国境付近のナーガ族の装飾品に使われていたホワイトハートは、やや角ばった円筒形で、中央の白が厚く、赤が薄いための鈍い赤色をしていることが多い。これはインドからもたらされたようである。
インドネシアのイリヤンジャヤ(ニューギニア)の部族民の装飾品として使われていたホワイトハートは、丸っこく肉厚で、赤黒い血のような色をしている。 これは中国からもたらされたようである。
ホワイトハートの赤色は経年変化によって、色が変化し、深みを増した色合いになる。
100~200年という長い歳月で生じたシミやヒビなどが時の流れを感じさせる。
ホワイトハートは赤の他に、黄色やオレンジ色も存在する。
詳細はホワイトハート「魅了し続ける赤」を参照。

マ―モ

マットミー(絣/かすり)
デザインに従って糸をくくり、その部分が染色液が染まらないようにすることで、織ったとき染められなかった部分がかすり模様となって現れる織の技法。インドネシア語でイカットと呼ばれる。
ミルフィオーリ/Mille fiori
18~19世紀頃登場したモザイクビーズをミルフィオーリと呼び、イタリア語で「千の華/Mille fiori」を意味する。
ヴェネツィアン・ガラス(Venetian glass)で名高い、水の都ヴェネツィア。
ミルフィオーリはヴェネツィアのある島で作られた。
13世紀末、ヴェネツィア共和国政府は、東方貿易で莫大な富をもたらしたガラスの技法が外部に漏れることを怖れ、ガラス職人とその家族を一つの島に強制移住させ、ガラスの技法を門外不出とした。
この禁を破るものは死をもってあがなわれたいう。
それがガラスの島、「ムラーノ島」である。
ミルフィオーリは、このムラーノ島で作られたヴェネツィアン・ガラスを代表するビーズの一つである。
鮮やかな原色をふんだんに使い、大胆な華の文様を小さな塊に凝縮させたミルフィオーリのビーズは主にアフリカとの交易に使われた。
アフリカの原住民は、これまでに見たことのない生き生きとした色彩に熱狂したに違いない。
褐色の肌に鮮やかな原色は美しく映える。
アフリカの人々はより色の強いもの、美しいものを競って求め、金や象牙、そして時には奴隷とビーズを交換した。
アフリカの人々の欲求に応えるべく、ムラーノ島のガラス職人たちは、次々と新しいデザインに挑戦し、ありとあらゆるビーズを産みだした。
こうして無数のビーズが西欧各国からアフリカへ運ばれ、西欧に繁栄をもたらした。
21世紀の現在、アフリカの人々に装飾品として代々使われてきたビーズは、西欧のコレクターたちの目に留まり、今度はアフリカから西欧各国へ逆流するという現象が起きている。
陶器のような質感、歳月を経て深みのある色合いになったミルフィオーリはデザインや希少性によって高い値が付けられ取引されている。
ミルフィオーリは次のように作られる。
  1. 金太郎飴のような華の文様の長いガラス棒を作る
  2. 1.のガラス棒を薄くスライスする。
  3. ビーズの中心となるガラスの表面に2.のスライスしたガラス片を貼り付ける
  4. 3.を熱してガラス片を溶かし、溶着させる。
  5. 4.の表面を磨いて完成。
モン族/Hmon
「モン」とは彼らの言葉で「自由な民」の意。タイではメオ、中国ではミャオ(苗)と呼ばれる。
独立自尊志向が強い。その歴史は古く中国の古い文献に現れる。
居住地は中国南部雲南省、貴州、ラオス、ベトナム、タイなど各国にまたがっており、地域によって衣装、習慣などは異なる。
タイでは白モン族と青モン族が主要グループである。
青モン族の女性のろうけつ染による濃藍のプリーツスカートは、オレンジや赤の鮮やかな色を用いた精緻な刺繍が施されたもので、特に有名である
ラオスのモン族は、ベトナム戦争時の内戦で米国に利用され、教育、支援を受けた戦闘特殊部隊が共産勢力と戦った。社会主義国となったため国にいられなくなり多くが難民となった。
米国本土には現在16万人もの難民がいる。
マラカイト(孔雀石)/malachite
孔雀の羽を思わせる色と縞目模様からからこの名がつけられた。緑は銅の緑青と同じ成分である。

ヤ―ヨ

ヤオ族(ミエン族)/Yao(Mien)
自称「ミエン」、彼らの言葉では「ミエン」とは人を意味する。タイではヤオと呼ばれ、中国では瑶族と書く。シナ・チベット語族。言語的にモン族と近い関係にある。
タイ、ラオス、ミャンマーにかけて広く住む。現在の中国雲南省から200年程前に移住。中国の影響を残し、長老たちはいまでも漢字を書くことができる。
その緻密な刺繍の技術は有名で、すべての女性は4、5歳の頃からその技術を母から学ぶ。
民族衣装は黒や濃紺のガウン状の上着で、衿元に赤いモールのようなものをつけている。頭には上着と同じ色の布をターバン状に巻きつける。下はモンペ風のズボンをはき、刺繍はこのズボン、上着の背中、ターバンに施される。
精巧な銀の装飾品を作る技術を持つことでも知られる。
山岳民族の中では裕福な民族で、他の貧しい山岳民族の子どもを養子にもらい、ヤオ族として育てる習慣がある。
ヨハネ黙示録
21章 9節~21節 新しいエルサレム
さて、最後の七つの災いの満ちた七つの鉢を持つ七人の天使がいたが、その中の一人が来て、わたしに語りかけてこう言った。「ここへ来なさい。小羊の妻である花嫁を見せてあげよう。」
この天使が、”霊”に満たされたわたしを大きな高い山に連れて行き、聖なる都エルサレムが神のもとを離れて、天から下って来るのを見せた。
都は神の栄光に輝いていた。その輝きは、最高の宝石のようであり、透き通った碧玉のようであった。
都には、高い大きな城壁と十二の門があり、それらの門には十二人の天使がいて、名が刻みつけてあった。イスラエルの子らの十二部族の名であった。
東に三つの門、北に三つの門、南に三つの門、西に三つの門があった。
都の城壁には十二の土台があって、それには小羊の十二使徒の十二の名が刻みつけてあった。
わたしに語りかけた天使は、都とその門と城壁とを測るために、金の物差しを持っていた。
この都は四角い形で、長さと幅が同じであった。天使が物差しで都を測ると、一万二千スタディオンあった。長さも幅も高さも同じである。
また、城壁を測ると、百四十四ペキスであった。これは人間の物差しによって測ったもので、天使が用いたものもこれである。
都の城壁は碧玉で築かれ、都は透き通ったガラスのような純金であった。
都の城壁の土台石は、あらゆる宝石で飾られていた。第一の土台石は碧玉、第二はサファイア、第三はめのう、第四はエメラルド、 第五は赤縞めのう、第六は赤めのう、第七はかんらん石、第八は緑柱石、第九は黄玉、第十はひすい、第十一は青玉、第十二は紫水晶であった。
また、十二の門は十二の真珠であって、どの門もそれぞれ一個の真珠でできていた。都の大通りは、透き通ったガラスのような純金であった。
(新共同訳)

ラ―ロ

ラピスラズリ/Lapiz lazuli
ラピスラズリ――金色の斑点が輝く群青の石。古代ローマの博物学者プリニウスはラピスラズリを「星のきらめく天空の破片」と表現した。神秘的世界を思わせる石、ラピスラズリは古代から現代にいたるまで数多くの伝説を生み、世界各地で人々を魅了してきた。
ラピスラズリのラピス(Lapis)はラテン語で”石”、ラズリ(Lazuli)は”青”や”空”を意味するペルシャ語の”lazward”が語源である。
ラピスラズリの産地はアフガニスタン、シベリア、チリ、アメリカ、コロラド州など非常に限られており、歴史に古くから登場するのはアフガニスタンのバダフシャン産出のものである。
ラピスラズリはエジプトにおいて天空と冥界の神オシリスの石とされた。ラピスラズリをはめ込んだツタンカーメン王のマスクと棺には死者の書の呪文とともにオシリスの像が描かれ、霊魂の流転再生の願いが込められた。
新約聖書のヨハネ黙示録には、世界が終末を迎えた後現れるとされる新エルサレムの都の神殿、東西南北12の礎にはそれぞれ12種類の石で飾られ、そのうちの2番目がラピスラズリであると記されている。
日本では、ラピスラズリは瑠璃と呼ばれ、仏教の七宝のひとつとされた。
詳細はラピスラズリ「天空の破片」を参照。
ローシルク
繭から繰糸したままの生糸。
ラフー族
ラフーとは虎を狩る人々という意味。狩猟に長け、歌と踊りを好む。結婚も歌のやりとりによる求愛で決まる。ルーツはチベット高原らしいが、19世紀頃、中国に追いやられ南下した。中国雲南省からタイ、ミャンマーにかけて広く居住している。
リス族
古い歴史を持つ民族で、唐代の史跡にも登場する。
中国雲南省、四川省、ビルマカチン州、シャン州、タイにかけて広く住む。
信仰はアニミズム。
リス族の宗教観念は、人と同様、自然界の森羅万象すべてに霊魂が宿ると考え、すべてが崇拝の対象であった。
人が生きているのは霊魂が肉体に附いているからであり、死ねば霊魂と肉体が分離すると考えた。
霊魂は超越した力を持ち、肉体を離れて独立することができると信じていた。
リス族は一生に2度命名しなければならず、一度目は誕生時に、二度目は結婚時である。
最初の命名には魂名をつけるが、成人後は魂名を呼んではいけないことになっていた。
魂名を呼ぶとその人の霊魂が連れ去られてしまうと信じていたからである。
リス族の伝承では、リス族のルーツは東チベットにあり、大洪水の時、生き残った唯一の人間であると伝えている。
ろうけつ染め
ろう、のりなどをもちいた防染による染色法。溶かしたろう(のり)を用いて布に描き、染料に浸し染色した後、ろう(のり)をとりのぞくと、その部分が模様となって白く染めぬかれる。古来より各地で見られる染めの技法。インドネシア語でバティック。