05Feb10
「ああ、分かってる、分かってるよ、止めろよ、もう……」
おどける一希をなだめるように、心路はそう言った。一希は、ニヤニヤと意味ありげに
微笑みながら、テーブルの上の灰皿に灰を落した。灰皿の横には、ヘロインの粉が散らば
っている。心路は、横目でちらりとそれを見ながら一希に言った。
「一希、何摂ってんだ? ちょっと、トゥーマッチじゃねえか?」
一希は、その言葉を聞き返すように心路の方へ耳を傾けた。...
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10Feb10
――― バラナシ? ガンガー? 日本人? それがどうしたって言うんだ? 死ん
だ? 一体、一希は何を…… ―――
智は、一希が何を言おうとしているのか良く理解することができなかった。恐らく心路
も同じ気持ちなのだろう、眉間に皺を寄せ、怪訝な表情で一希を見つめている。
「死んだって、誰が? いつ? 何? 何言ってんだよ、お前。一体、何の話をしてるん
だ?」
一希は、なかなか理解しようと...
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15Feb10
一希の瞳が力なく微笑んだ。心路と智は、一言も言葉を発することができなかった。
「ある日さ、いつものようにみんなでボンしてる時に、俺がたまたまアシッド持ってった
んだよ。それで、みんなで一枚ずつ喰おうってなった時に、当然、清志もやるって言い出
して……。もちろん俺は快く清志にあげたよ。どんどんやれよ、ってさ。それから後はも
うみんなパッキパキにキマッちゃって、訳分かんない内に夜が明けてた。それでみん...
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20Feb10
「俺は、慌てて走り寄って大声で清志の名前を叫んだんだ。そしたらあいつ、河の中程で
こっちを振り返って、笑顔で手を振った。一希さあん、ってな。その時のガンガーは、雨
の後でちょうど水かさが増してる時で、流れもかなり速かった。俺は、危ないから早く戻
って来いよ、って言ったら、清志は、大丈夫ですよ、向こう側まで行くんです、って言っ
て再び泳ぎ始めた。そしてその後すぐ、清志はガンガーの濁流に呑み込まれてた...
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25Feb10
パーティの始まった直後の出来事だった。夜の山を小一時間程歩いたパーティ会場には、
そろそろ人が集まり始める頃だった。深い森の中に設置された特大のスピーカーからは空
気を揺るがすような大音量のトランスミュージックが吐き出され、すぐ隣にいる人間と会
話することもままならない。街灯のように吊るされたブラックライトによって、一心不乱
に踊り続けるレイヴァー達がぼんやりと淡く照らし出される。木々の間には、蛍...
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