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ライブラリ-2009年08月

05Aug09

暗闇に同化

「うわぁ! ちょっと、プレマ、そこに誰か立ってるよ!」  驚いた岳志が、ランプに火を灯していたプレマに慌てて声をかけると、プレマはそのま ま戸口の方を振り返った。その人物を戸口の所に見留めると、プレマは、打ち解けた様子 でその男と二言三言、言葉を交わした。そして笑いながら岳志に話しかけた。 「ノー・プロブレム。ディス・イズ・クレイジーババ。タケー、心配ないよ。いつも来る ババなのよ。ちょっとクレイ...

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10Aug09

ココナッツの器

「えっとですねえ……。ちょっと難しい単語が多く使われているので細かい内容までは分 かりかねますが、大雑把に言うと、どうやら遺跡の中に祀られている"シヴァリンガ"は イコンつまり、偶像であるかないかということが語り合わされているようです」  その話を聞いて智は、一瞬自分の耳を疑った。真ん中で話している人達はどこにでもい るようなごく普通の男達であり、それを取り囲んでいる人達もまた普通の、一般的なイン...

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15Aug09

心の奥底に潜む何か

冗談のつもりで十ルピーなどと智は言ったつもりだったが、ババにはそんな冗談はまる っきり通じなかったようだ。強い口調で智を睨みつけながらそう言った。 「ごめんごめん、冗談だよ、ババジ。そんなに怒らないでよ。ハハハ……」  ババがココナッツを片付けようとするのを慌てて制しながら智はそう言った。 「アイ・メイド・バイ・ストーン!」  ババは、ココナッツを一つ手に持って、智の目の前に突き付けた。そして再び...

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20Aug09

シーク教徒

智は、ババがマントラを唱えてからチャラスを吸い尽くすまでの一連のその動作に心を 奪われた。こんなに格好良くチラムを使った人間は、今まで見たことがなかった。智がう っとりとその感慨に耽っていると、プレマが、遠くからババの方を眺めながら、ヒー・イ ズ・シーク・ババ、と笑いながら言った。智が、えっ、どういうこと? と聞き返すと、 アナンが、ババジはシーク教徒なんだよ、と説明を加えた。それを聞いて智は思わ...

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25Aug09

凛然

その言葉通り、何も問題はない、という風にババはゆっくりと首を左右に振った。それ を見て智は呆れて肩をすくめた。インド人というものが智にとってますます不可解なもの に思えてきた。果たして宗教とはそんなにいい加減でいいものなのだろうか?  岳志は、にやにや笑いながら二人のやりとりを見ていた。そしてババから吸い終わった チラムを受け取ると先端から灰を取り出し、細長い布をチラムの穴に通して掃除を始める。 ...

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30Aug09

ガンジャ入りのケーキ

「何だか不思議な所ですね。マナリーやマニカランという町は」  独り言を言うように智はそう言った。ちらっと智の方を見て、何も言わずに岳志は微笑 んだ。すると突然何かを思い出したように岳志がポンッと手を打った。 「そうだ! そう言えば俺、アナンにスペースケーキ作ってくれるように頼んだんだよ。 安いチャラス、ワントラ分買ってさ。明日焼いてくれるって言ってたから食べに行こう な!」 「スペースケーキって、...

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