05Jan09
「旅に出ようと思って、金を貯め始める前ぐらいかな。レイヴ仲間にゴア行ってた奴らが
何人かいて、そいつらの話聞いてたら、もう、行くしか無いじゃん、ってことになってさ。
ようやく俺達にも目標らしい目標ができたから、馬鹿みたいにドラッグやり続ける生活も、
ちょっとはマシなもんになったんだ。毎日真面目に仕事行って、金貯めて。半年ぐらいそ
んな生活が続いたかな。だから、こっち来たときは二人とも結構いい感じだ...
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10Jan09
「いや、そうじゃないんだ。もともと直規君が、ゴアにいたときから目をつけてた子だっ
たんだよ、彼女は。それが偶然、プシュカルにいてさ。智もちらっと見たよな? 金髪で、
所々緑に染めてるちょっとイッちゃってる感じの子。それで智も知っている通り、急にジ
ャイプルへ一緒に行くことになったんだけど、どういうわけか、その子が俺になびいちゃ
ってさ。これもまた昔からそうなんだけど、何故か直規君の狙ってる女は、俺...
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15Jan09
「俺、一人で行く。心路、お前との旅はここで終わりだ」
「そんな、直規君。そんなこと勝手に決めるなよ」
心路は、突然の直規の提案に、驚いてそう言い返した。
「でも、もう決めたんだ。悪いな、シンジ」
心路は、じっと直規の目を見つめながら唇を噛み締めている。小刻みに肩が震えている
のが分かる。すると次の瞬間、突然立ち上がって直規に向かって飛びかかった。
「ナオキくん、いい加減にしろよ! 勝手なんだ...
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20Jan09
翌日、智は奈々を見送ることができなかった。目が覚めたら猶に昼をまわっていたのだ。
取り返しのつかない後悔の念と、強烈な自己嫌悪が智を襲った。慌てて奈々の部屋を見に
行ったが、当然のように誰もいなかった。ゲストハウスに雇われている掃除婦が部屋の掃
除をしている所だった。智は、自分を呪って強く床を蹴った。奈々は、一体どんな気持ち
でここを去って行ったのだろう?
直規は、夜の飛行機でバンコクへと飛び立...
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25Jan09
「どうだ? 痛ぇだろ? お前の連れにも同じことされたんだぜ」
ゲンが智を見下ろしながらそう言った。
「フン、こっちの金は慰謝料として貰っとくな。全然足りねえけど、まあ、これで勘弁し
てやるよ。あとはお前の住所だけど、きっちりメモしたからさ。あいつらがもし、この件
で仕返しに来たりなんかしたら、すぐにお前んとこ行くからな。憶えとけよ。何回でも行
ってやる。分かったか? この、うすらボケ」
ヤスが...
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30Jan09
もうすぐ、奈々が帰って来る頃だった。この宿に戻って来るとは一言も言っていなかっ
たが、果たして戻って来るのだろうか? 恐らく、明日か明後日ぐらいにはデリーに着く
筈だ。
智は、明日のマナリー行きのバスのチケットを手に入れた。奈々の帰りが近いというの
は分かってはいたが、もうパキスタンビザは手に入れていたし、デリーには何も用事がな
かったからだ。だとしたら、一刻も早くこの忌わしい地から逃げ出してし...
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