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ライブラリ-2002年05月

08May02

出発前夜

その頃、仕事は忙しかったが充実していた。 その仕事に何の不満もなかったわけではないが、 給料も人並みに貰え、生きがいとまではいかなくても、やりがいはあった。 お盆や正月には、10日ほどの休みもあり、その度にアジアへと出かけていった。 タイ、カンボジア、ベトナム、沖縄へも行った。 その短い旅は楽しいものだった。 しかし、短い旅はただ楽しいだけの思い出としかならなかった。 やがてそれだけでは物足りなく...

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15May02

始動

空港からのバスから見る香港の街は、 手塚治虫の描く未来都市のようだった。 巨大な高層ビルが、その高さを競うように乱立している。 その合間を縫ってバスは進んでいった。 旅の始まりは香港からだった。 香港を選んだのに、大した理由はない。 ここに大学時代の友人が仕事で赴任しているからだ。 私たちは香港の滞在中、彼のマンションでお世話になる。 私たちと書いたのは、私の彼女も香港に付いて来たからである。 ...

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23May02

黄山風景

私は待っていた。 霧が晴れるのをである。 もう1時間以上はなにもせず、ベンチに座って待っている。 疲労はもうとっくに限界を超え、そのだるさが心地よくさえ感じている。 ここは黄山の光明頂というところである。 山の上なので何もやることもない。 ただぼんやりと周りを見ているが、霧に中にいて何も見えない。 ここが標高1800メートルとは思えない。 見えるのは、ツアーの中国人登山客のみだ。 大勢の人たちがこ...

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28May02

北京の出会い

北京の故宮博物院といえば、北京に行く旅行者の誰もが訪れる場所だろう。 映画ラストエンペラーの紫禁城と言った方がわかりやすいかもしれない。 ご多分に漏れず、私もそこに行った。 いかにも観光地という感じで、正直あまり興味はなかったが、 やはり行くことにした。 入り口の天安門には、毛沢東のでっかい肖像画が飾れられていた。 中国人はその目の前で記念撮影している。 平日だというのに、たくさんの中国人が訪れ...

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30May02

ボーダーライン

彼と会ったのは、彼の職場でもある北京の国子監というところで、科挙の試験場の跡地である。 一般に開放され、観光地にもなっているそこの警備が彼の仕事である。 彼はもともとの顔が穏やかなのか、笑顔で私を迎えてくれて、握手を求めてきた。 彼の身長は180センチ以上あり、筋肉質で、その手も厚みがあり、力強かった。 その時間は仕事の休憩中ということで、制服は着ていなくて、GパンにTシャツというラフな格好だった...

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