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ライブラリ-2000年10月

03Oct00

ボーダー1

ネパール、カトマンズ。 アジア横断の旅を目指す旅行者が私に教えてくれた。 「インド、パキスタン間の国境は最悪らしいですよ」 どのように最悪かと聞くと、国境警備の係員に持ち金をだまし取られるという。  その後も、私は何度か同じ話を聞いた。 日本の場合、出入国の管理官が旅行者の財産を狙うことはあまりないが、アジアでは公務員の特権とばかりに、それを行う者は少なくない。 私は、昨晩宿が一緒だった日本人旅...

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08Oct00

ボーダー2

金を渡してしまったら、もちろん返ってはこない。 取られてたまるか、と思った私は、「なぜだ」 と尋ねる。 係員は、「おまえ達は書き忘れというミスを犯した。それはおまえ達の責任だ」 だからパキスタンルピーを出せ、と言う。 そんなバカな話があるか。 「おまえ達インド人の係員が、書く必要がない、と言ったから私は書かなかったのだ。ミスを犯したのはおまえ達の方だ」 と私は言い返す。 「だから、パキスタンルピー...

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13Oct00

パレスチナ1

確か、ミシュランの道路地図だったと思う。 イスラエル周辺国の人間に見られることを意識してか、中東地域のその地図には、イスラエルの国名は無く、パレスチナと書いてあった。 イスラエルはユダヤ人の言う国名、パレスチナはパレスチナ人、アラブ人が呼ぶ地域(国)名である。 この二つの名は同じ場所をさしている。 この両者の確執を説明しようとすれば、紀元前二千年までさかのぼらなくてはいけない。 ここではその歴史的...

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18Oct00

パレスチナ2

「24時間の外出禁止令ですか」 聞くと、先日の爆弾テロで8人の死亡者が出たために出されたとのことだ。 私は二人のパレスチナ人の老夫婦がこちらに歩いてくるのを見つけた。 「外出しているじゃないですか」 24時間といっても、一日のうち買い物などに必要な1?2時間は許可が出ているという。 しかし、仕事などには行けないとのことだ。 「だから、ここを離れる人が多いわ」 それが、パレスチナ人を追い出す、ユダヤ...

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20Oct00

パレスチナ3

私たちはモスクの近くにある、市場に向かった。 狭い路地にある市場はどこも閉まっている。 もう長い間、商売はしていないようだ。 道端には石やゴミが散乱し、頭上に張られたネットには石が載っている。 聞くと、このネットは投石を防ぐためのものだという。 ユダヤ人に向かって石を投げるパレスチナ人しかTVで見たことのない私は、初めパレスチナ人が投石したのかと思った。 が、Aさんは違うと言う。 「パレスチナ人が...

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24Oct00

パレスチナ4

Aさんは、私たちにひとりのタクシー運転手を紹介してくれた。 彼は、モスクでユダヤ人青年が銃を乱射したとき、その場にいたという。 腰のあたりを撃たれ、いまでも立つことはできないようだ。 ひとりではタクシーから乗り降りするのも難しいという。 彼は、撃たれた後の入院生活から、タクシーの運転手になるまでの話を聞かせてくれた。 Aさんが彼の話を英訳してくれる。 彼は数年かかってここまで回復したそうだ。 くじ...

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28Oct00

スペインの長い昼

踊りつづける 熱砂の中で ひび割れた大地の上で 汗をたらしながら 踊りつづける 漂流の果てのアンダルシアで カルメンは 欠けてしまった何かを ギターの旋律や カスタネットの音色をたよりに がむしゃらに 求めつづける ギラギラ照りつける太陽の下で 狂う マタドールは 貴公子のように 息の根を止める 熱い砂漠の上で 華やかに舞ってみせる 貫かんとする猛牛を おびきよせてはひらりとかわし 一撃を狙う 互...

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